Original

「知れば知るほど見える世界」~学生団体設立までの道のり~【学生団体SeedA代表】【連載2】飛矢智希

こんにちは! この度連載ライターをさせて頂いている飛矢(ひや)です。

 

自分は大学2年の夏に、学生団体SeedA(シーダ)を設立し、カンボジアの学校教育の普及を目指して活動をしています。

 

第一回では、学生団体の設立をしようと思うにいたった「きっかけ」についてお話しました。

(前回の記事はこちら

 

今日は第2弾ということで、インターン後に学んだ「カンボジアに起こる課題」について書いていきたいと思います!

 

少し難しい内容になるかもしれませんが、団体設立の「意義」にもなった、かなり重要なところかなと考えています。ぜひ最後までご覧ください!

 

感じた問題を「見える」に変える

インターンシップを終えて、一つの「後悔」を経験して日本に帰ってきたあと、自分には何ができるのかを考える日々が続きました。

 

純粋に、カンボジアにもう一回行って、生徒たちに会いたいという想いもモチベーションにしながら、自分はとりあえずいろんな資料にあたってみることにしました。

 

自分が経験した「ドロップアウト」は、カンボジアでは本当に問題になっているのか。

そして、それは何が原因になっているのか。

 

それをまず、探ってみないといけないと思ったからです。

 

(注)初等教育最終学年までの累積ドロップアウト率。タイ(2000)、フィリピン・シンガポール(2008)、マレーシア・ミャンマー(2009)、その他の国は 2011年のデータをそれぞれ利用。

(出典:大和総研 2014 「ASEANにおける教育の充実と経済成長」)

(http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/emg/20140611_008636.pdf )

 

 

これは、調べたデータの一つです。

初等教育におけるドロップアウト率では、カンボジアは東南アジアの中で最も比率が高い国であるということが分かりました。

 

(注)カンボジアの初等教育における、学年ごと(Grade1~Grade6)のドロップアウト累積率(2000年-2012年の累積)

(出典:Royal Government of Cambodia ``The National Education for All 2015 Review Report`` )

(http://unesdoc.unesco.org/images/0022/002297/229713E.pdf)

 

そしてこのデータ。とてつもなく見づらいですが、これは、学年ごとのドロップアウト率の割合を示していて、ここから、初等教育の中ではGrade5~6 (小学校5年、6年頃)にドロップアウト率が多くなっているということが読み取れました。

 

自分が経験して感じた「ドロップアウト」の現実。あの手紙をもらったチャイという女の子も小学5年生でした。

 

調べてみることで、自分の中で課題が現実に「見える」ものになりました。

 

「ドロップアウト」はカンボジアという国で実際に広く起こっている問題であり、そこには取り組むべき理由がある。

 

そう実感することが出来ました。

 

自分にも取り組める課題を、ひたすら探した

課題が見えたあとは、いろいろな視点からドロップアウトの原因を探ってみることにしました。

 

例えば、カンボジアの歴史を一から学んだことで、カンボジアという国に起こった「ポルポト政権」の出来事を詳しく知ることが出来ました。その大虐殺が、現在の教育の質や認識に大きく影響を及ぼしていて、それが、ドロップアウト率が高くなっている原因にもなっているそうです。

 

また、タイや中国などに出稼ぎに行くことや、1年に1回の進級試験になかなか受からずに、結局学校をやめてしまう人もいたりする可能性があることもわかりました。

 

そして、たくさんの原因がある中でも、次の二つの原因が、自分の経験と照らした上で、大きなものとして浮かび上がってきました。

 

一つ目には、子どもたちの学校に対する期待や楽しみが、まだ多くはないということ。

 

「○○があるから学校に行きたい!」

「○○くんと一緒に勉強したり遊んだりしたい!」

 

そのような、学校に行く意義や楽しみが見いだせていない子どもたちがドロップアウトをしてしまう傾向があることが分かりました。

 

(注)カンボジアの公立小学校の1年生、午前の部の時間割の例。

(出典:http://www.tufs.ac.jp/common/fs/ase/cam/komado/mame/kyoiku.htm)

 

カンボジアの学校の時間割はこんな感じです(カンボジアは2部制なので、子どもたちは午前か午後のどちらかに学校に行きます。)

 

ずっと勉強・・といった感じであることが分かりますね。

 

体育や音楽といった科目は行われていない地域が多く、行われていてもそれは先生の裁量が多いらしいこともわかりました。

 

勉強面でも、先生の教えるスキルや質もまだ完全には高まっていないため(これには、ポルポト政権の影響も大きくあります。)勉強の内容が定着しづらいのも原因の一つにあるようです。

 

2つ目は、子どもたちの保護者の、学校教育に対しての意識が伴っていないこと。

 

保護者の方が学校を見学したり、子どもたちが勉強する姿を見ることはほとんどありません。

自身の仕事もあって忙しいのは事実かもしれませんが、そもそものところで、保護者が参加できるような学校のイベントがほとんどないのが現状です。

 

また、10~12歳という年齢は、ちょうど子どもたちも力がついてきて、農作業の仕事を手伝うに足るようになります。

だから、学校に通うよりも、仕事を手伝ってもらった方が助かると感じてしまう保護者の方々が多いようでした。

 

課題が見えたら、自分に「できること」を考える

また、ここまで調べた上で、自分は自身のことについても少し考えるようになりました。

「自分は、本当にこの課題の解決に本気になれるのだろうか」という疑問。

 

正直、これは自分にとってかなり重要な問題でした。

「なんでもできる」大学生生活。その多くを、この課題に向き合うことに割くことができるのか。

そんな葛藤が自分の中に生まれていました。

 

そして、それを決心させてくれたのは、自分の中にあった2つの確信でした。

 

まず一つ目は、「自分が好きなことでこの課題にアプローチしたら、きっと本気で取り組める」ということ。

 

そして二つ目は、「自分はカンボジアが好きで、インターンシップで得た『後悔』にもう一度向き合いたいと思っていること」

 

自分の好きなことを生かして、できることを本気でやってみよう。

そして、インターンシップで得た後悔を、自分の中で必ず生かしてやろう。

 

そんな風に考えるようになりました。

 

字数が多くなって来たので、今回はここまでにしたいと思います。

次回は、見つけた課題から、どのようにしてその解決方法を見つけたのかについて書いていきたいと思います!

 

それまで、皆さんもぜひ下の質問を考えていただければと思います!

 

★あなたは、何を楽しいと思って学校に通っていますか?(または、通っていましたか?)

★今回書いた「2つの原因」を解決するために、あなたならどんな方法を考えますか?

 

次回はこれらの答えに関係する話をしていきます!

 

学生団体SeedAのFacebookページはこちら

 

飛矢智希

飛矢智希

一橋大学。大学1年の夏にカンボジアでの英語教育ボランティアに参加。途上国のドロップアウトの現実に直面し、その後、学生団体SeedAを設立。 ​世界の全ての子供達が、笑顔で安心して学校へ通い続けることの出来る社会を目指してプロジェクトを推進中。 2018年度からアイセック・ジャパンが運営するインターンシッププログラム「Education Innovator Programme」の実行委員を務める。

カテゴリ

タグ

この内容で送信します。よろしいですか?