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美しい農村風景と、共存する過酷な現実 ――鈴垣優【海外インターン体験記】【フィリピン】【連載3】

Maayong hapon!(ビサヤ語でこんにちは!)

名古屋大学工学部環境土木コース3年の鈴垣優です。フィリピン ダバオにある、農業を中心とした地域開発を行う団体にてインターンシップをしています。

今回は、インターン先で任された「エコツーリズム」についてお伝えします。


私のお世話になっているインターン先は、主にダバオの農村部に暮らす人々の生活を支援するために、様々なプロジェクトを運営しています。
なかでも今秋、25周年を向かえるインターン先が、次の25年で手がけようとしているプロジェクトが「エコツーリズム」です。

インターン先で任されたエコツーリズムの目的である、「農村の持続的な発展の支援」を自ら感じるため、農村へ連れて行ってもらいました。
訪れた農村はダバオの都市部から車で約1時間半の山の中に位置しています。

(農村の人々が暮らす家)

 

何よりも、私が驚いたのは、平日のお昼時なのに、学校へ行っていない子供がいること。
彼らは、家族のため伝統的な竹でできたブレスレットを売って働いているのです。

(伝統的な竹のブレスレットを売る女性)

 

一人や二人だけではありません。
私たちが都市部から来た外国人だとわかると、何人も立て続けに寄ってきます。
そして、まっすぐな目を私に向け、必死に「買ってよ」と訴えてくるのです。

そして、彼らだけではなく、彼らの母親たちも幼い子供を背中におんぶしがら、近づいていきます。


そんな現実とは裏腹に、農村部に広がる風景はとても美しいものです。
小高い山々が並び、色とりどりの鼻が咲き、たくさんの動物たちが道路の側を歩いてゆきます。
空気はとても澄んでいて、緑と青に囲まれた、見入ってしまうような綺麗な景色が続きます。

 

(農村の風景)

 

ダバオの農村部では近頃、村の成果圧にとって重要な働き手である若者が仕事を求めて都市部に出てゆき、活気を失いつつあります。
しかし、たとえ都市部に出ても、都市部と農村の教育格差が足を引っ張り、働く場所を得られるのはほんの一部の人だけ。

そこで、今なお残る貴重な農村資源を保護し、農村部でも持続的に豊かな生活をできるようにと、インターン先が目をつけたのが「エコツーリズム」なのです。

 

(農村の風景)

 

私がお手伝いさせてもらうのはインターン先の敷地内に建設予定の「エコビレッジ」のデザインです。
インターン先の敷地からエコツーリズムをスタートさせ、発展に応じて農村に輸出していくという計画です。
いわば、パイロットケースとしてのエコツーリズムの初期段階に携わらせていただきます。

今回農村を訪れて感じた強い衝撃を忘れることなく、そんな彼らの役に少しでも立てるよう、大成功となるエコツーリズムにしっかりと貢献していきたいと思います。

※この記事は2015年9月22日に執筆されました

鈴垣 優

鈴垣 優

名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科卒。現在、東京大学大学院 工学系研究科 社会基盤学専攻 修士課程1年在学中。アイセック名古屋大学委員会にて海外戦略・人材戦略を担当し、経営層として2年間活動。2017年度アイセック・ジャパン事務局 常務理事 兼 人材管理統括。中学時代に見たゴミの中で生きる子供の姿に衝撃を受け、社会インフラで貧困を解決したいと土木技術者を志す。”現場”を学びたいという気持ちで15年夏フィリピンへ渡航。環境政策・インフラ輸出を主に専攻しようと考えていたが、この渡航がきっかけとなり都市空間・景観デザインの専攻へと転向。

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