Original

フィリピンの街が一つになる瞬間 ――鈴垣優【海外インターン体験記】【フィリピン】【連載4】

Maayong hapon!(ビサヤ語でこんにちは!)
名古屋大学工学部環境土木コース3年の鈴垣優です。
フィリピン・ダバオにあう、農業を中心とした地域開発を行う団体にてインターンシップをしています。

今回は、野菜を売りに訪れた広場での、ある一幕をご紹介したいと思います。

私のお世話になっているインターン先は、フルーツや野菜の有機栽培もしており、月に数回、毎週金曜日に市役所前にて開かれるオーガニック市場に出店しています。
市の農業課も、オーガニック農業を推進していることから、無料で市場を開催させていただいているとのこと。

 

(インターン先に育っているバナナ畑)

 

(Guabaと呼ばれるフルーツの畑)

 

途中、市役所の方が調査にやってきて、
「ダバオではオーガニック野菜を推進している。それもあり、オーガニックの人気は高くなっているんだよ」
と、教えて下さいました。

そのお話の通り、イパンの企業で仕事が終わる午後4時あたりから、沢山の人が市場にやってきて、どんどん商品を買っていきます。
市場に出店しているのはおよそ10の農家さんですが、どのブースも、人で溢れかえっていました。

 

(市場で野菜・フルーツを売る様子)

 

午後5時になると、市場にいる人がピタリと止まり、皆が同じ方向を向き始めました。
市場にいる人だけではありません。
普段はあれほど騒々しい街中や道路の植野車までも、すべてが止まり、胸に手を宛て、同じ方向を見つめています。

すると、すぐにフィリピンの国旗が降ろされ、国家が流れ始めました。
なるほど、国旗降納・国歌斉唱のために、みんなが止まり、一つになっていたのです。

フィリピンでは、月曜の朝に国旗掲揚と金曜の夕方に国旗降納があります。
その際には街中すべてがストップして、皆が国旗の方を向き、国家を斉唱するのです。
誰一人乱れることなく国歌斉唱するフィリピンの人々の姿に、非常に驚きました。
皆が一気に同じ方向を向き、自分がその群れから外れていることに気がついた時には、罪悪感すら抱いてしまうくらい、それほど綺麗な光景でした。

 

(夕どきの市場に集う人々)

 

家に帰宅し、早速、市場での国歌斉唱のことを他の国のインターン生に話しました。
すると、反応は様々。

「それって、当たり前でしょ、私の国でも同じだよ」
と行ってきたのはインドネシアのインターン生。

逆に、
「国歌の歌詞はわかるけど、大して歌わないなあ」
という反応があったのはモロッコとマレーシア。

「行事があれば歌うのは恒例だけど、毎週ほどではないよね」
という日本と同じ感覚だったのがベトナムのインターン生でした。

この件を通してフィリピン国民の愛国心の強さを感じました。
そんな姿を目の前で見ることができ、とても貴重な経験となりました。
また、国ごとの違いをすぐに話題にできるのも、多くの国からのインターン生がいる環境の特権だと思いました。

鈴垣 優

鈴垣 優

名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科卒。現在、東京大学大学院 工学系研究科 社会基盤学専攻 修士課程1年在学中。アイセック名古屋大学委員会にて海外戦略・人材戦略を担当し、経営層として2年間活動。2017年度アイセック・ジャパン事務局 常務理事 兼 人材管理統括。中学時代に見たゴミの中で生きる子供の姿に衝撃を受け、社会インフラで貧困を解決したいと土木技術者を志す。”現場”を学びたいという気持ちで15年夏フィリピンへ渡航。環境政策・インフラ輸出を主に専攻しようと考えていたが、この渡航がきっかけとなり都市空間・景観デザインの専攻へと転向。

カテゴリ

タグ