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最後の最後で見つけた問題解決の第一歩 ーー花本夏貴【海外インターン体験記】【カンボジア】【連載4】

こんにちは、明治大学の花本夏貴です。

 

前回の連載3で書いた

「自分のやりたかった『目標達成』の授業と『ルールを守る』ことの重要性をどう組み込むのか。」

今回は、ここに対してどう取り組み、どう感じたのかについて書いていきたいと思います。

 

授業の中の一工夫で

 

運動会が終わった当日、一緒に授業を担当していたシンガポールの女の子と、どのように「ルールを守る」要素を組み込んでいくか話し合いました。その中で授業の最後に行う”Hangman”というゲームで、ルールを守る要素を組み込んでいくのがいいのではないかという結論に至りました。

 

※Hangman…英単語をスペリングから推測して当てるゲーム。生徒にはアルファベットを発言してもらい、それがあっていれば、該当箇所にアルファベットを記入する。

 

運動会の前までの授業では、答えが分かったら教室の前にいる先生(自分)のところにきて、答えを言う形式にしていました。しかしながらアルファベットではなく答えを発言してしまう生徒や、答えを言うための列を作る際に順番抜かしをしてしまう生徒もいました。

 

いざ授業になって、Hangmanをやる時に、

「このHangmanを通じて、授業の復習をするのももちろんだけど、ルールを守る大切さも教えていきたいと思う。」

 

具体的には、

・全員が所定の位置に手を置かないとゲームを始めない

・挙手制にして番号を振ったら、その子は前に来られる

・誰かが答えを発言してしまったらゲームは無効

とルールを変更しました。

 

この形式を1週間、実際にやってみて、最初はやはり戸惑ったりルールを守れていなかったり答えをその場で発言してしまったりする生徒もいたのですが、日がたつにつれ、答えをその場で言わなくなったり、全員がそのルールを理解し、守るようになっていきました。

 

(授業を担当した子供たち)

最後の最後で掴んだ感覚

 

4週間近く授業を行ったJanesana International Schoolでの最後の授業で、立ち幅跳びを行いました。

自分がどうしてもやりたかった”スポーツを通じて”目標達成の原体験の提供や、ルールを守ることの重要性を伝えるためです。

 

目標達成の観点では、生徒たちに最初は自由に飛ばせて、そのあとに飛ぶコツを伝えることで、今まで到達していなかった目標へ到達できる経験を提供しようとしました。

ルールを守ることは、その場その場で伝えていくしか方法がありませんでした。

与えられた55分の中で、生徒全員4回ずつ飛ぼうと話していました。しかし「どうしてもこの子と一緒がいい」など、整列に時間がかかり、一人一人の踏切足の調整をしたり、みんなでローテーションしている際にも列を崩してしまったりして、結局全員で3回しか飛ぶことができませんでした。

 

 

授業の最後に生徒に向けて話したのが、

「今回の授業で4回飛ぶ予定でいたけど、1人1人がルールを守る意識があったのかな。踏切足をしっかり守れていれば、整列をもっと早くしていれば、もう1回ずつ飛べたかもしれない。先生の話を聞いていれば、時間を少しでもジャンプする方に回せたかもしれない。だけどそれができなかった。今回はかなり厳しくしてしまったけど、ルールを守ることの重要性は前の授業でもずっと話していたところではあったよね。授業でも同じで先生の話をしっかり聞くのが学校のルールとしてあるから、そこをしっかり守っていこう。」

と話をしました。

 

(1人1人の足の位置をチェックする。細かいことだけどこういうルールを守っていくことも大事。)

 

授業が終わった後、1人の女の子と話していて、

「私もルールを守らないことに関して問題意識を持っていたの。自分たち女子は授業に集中したいのに、男子は先生が注意してもうるさくてどうしても集中できなかった。今回の授業で男子たちもこれに気付いてくれたはずだから、今日先生が授業やってくれて本当によかった、ありがとう。」

 

担任の先生とも話していた際、同様のことを言われて自然と涙が出てきました。

 

問題意識の感じたことをその場で考えて実践できた嬉しさや、この日が最後の授業だったので生徒たちがどう変化していくのかが見られない悔しさ、いろいろな感情を抱えながら授業を終えました。

 

次なる1歩

今回のインターンは、多少の後悔はやはりあるものの、自分のやりたかった”スポーツを通じての教育”であったり、そこに紐づけして”ルールを守る大切さ”を教えることができ、非常に充実した6週間を過ごすことができました。

また運動会を通じて、他の国のメンバーを巻き込みながら運営していくことも今までにない貴重な経験でした。

将来、スポーツの持つ可能性を世界に届けたいと考えています。インターンの経験を踏まえて、また次なる1歩を進めていきたいです。

 

(今回、1ヶ月以上走り切った15人のインターン生)

 

(この記事は2017年10月10日に執筆されたものです)

 

花本夏貴

花本夏貴

明治大学政治経済学部経済学科2年。2017年度YouthSpeak Media編集部。 2017年夏、アイセック・ジャパン運営の教育系インターンシッププログラム”EIP”を利用し、カンボジアで英語とスポーツ教育を行うインターンシップに参加。 そこで感じた問題意識から、スポーツ教育が世界に与える影響や可能性、オリンピック文化の本質について研究中。 また、2018年度からアイセック・ジャパンが運営するインターンシッププログラム「Education Innovator Programme」の実行委員を務める。

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