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「社会課題に無関心」そんな自分を変えたかった。【海外インターンシップ体験記】【連載3】田中康雅

こんにちは。
夏休みに、フィリピンの教育番組制作会社にて7週間の海外インターンシップに挑戦した慶應大学2年の田中康雅です。
最終回となる今回は、海外インターンシップを通して僕がどう変わったのか、帰国後の振り返りをレポートします。

興味がないからこそ、世界へ飛び出してみた

「国とか仕事内容とか、こだわりはないのでどこでもいいです。」

インターン先を探している時、僕はアイセックの担当者にそう言って困らせていました。

「なぜ、行くのか」が固まっていて、「どこに、行くのか」は僕にとってあまり重要ではなかったからです。


参加動機はただ1つ。

「社会の現実を見てきたい。そして、社会に無関心な自分を変えたい。」

ということでした。

ニュースを見たり、社会課題の勉強をしたりしていても、あまり深く興味を持つことができませんでした。

社会への「当事者意識」が低かったのだと思います。

自分が「社会に無関心な傍観者」であることが嫌で、それを変えたいと強く思っていました。

海外インターンシップを通して、社会の現実を五感で感じてきたり、解決のために奮闘している方とお話ししたり、自分自身も課題解決に寄与することで、何かが変わるのではないかと仮説を立てていました。

(Skypeで一次面接をしたもらったフィリピンのアイセックメンバーとの一枚)

フィリピンで見た、社会の現実

インターン先は、フィリピンのNGOに決定しました。
フィリピンに行き、広報の業務をしたり、スラム街などを訪れたりしました。
そこには、コンビニでパンを買うと、タガログ語で「お兄さん、お兄さん」と話しかけてくるストリートチルドレンや、ゴミで溢れたスラム街など、インターネットや本に載っていた情報と同じような現実がありました。

ただし、【連載1】で書いたように、同じ情報でも人やメディアから間接的に受け取る「二次情報」と自分の目で直接見て感じ取る「一次情報」とでは情報の受け取り方は全く違いました。

インターネットなどで見ていた現実が、本当にこの世に存在することや、ここに生きる人々も自分と同じ1人の人間であり、かけがえのない存在であるという当たり前のことを、ひしひしと感じました。
そして、躊躇なく「何か少しでも力になりたい」と思っている自分がいました。


助けたい人がいても、力がなければ誰も救えない

考えてみれば、困っている人がいるのを見て何か力になりたいと思うのは、人間として「当たり前」です。いわゆるケアの倫理と言われているものだと思います。

今まで社会や社会課題に関心がなかったのは、おそらく他人を自分と同じ人間としてではなく、別の生き物や、モノのような感覚で捉えていたからなのだろうということに気づかされました。

現地の学生や、スラム街の子供たちとコミュニケーションをとっていくうちに、世界中にいる人々、1人1人がかけがえのない存在なのだという実感が日に日に増していきました。

そして、世界で起きている問題を、見て見ぬ振りをすることは非常に無責任で許されないことなのではないかと思うようになりました。

でも、力がなければ誰も救えません。

僕は結局フィリピンで何も大きな成果を残せずに海外インターンシップを終え、日本に帰国しました。

(スラム街の子どもに対する教育施設を運営する代表の方にインタビューした際の様子)

社会に無関心な傍観者から卒業する

今回の海外インターンシップを通して、社会の課題に直面したり、そこで暮らす人々と友達になったりすることで、「社会がどのように成り立っているのか」「社会課題とは何なのか」ということが少しずつではありますが、実感を伴って分かるようになってきました。

僕の好きな本に、以下のような一説があります。

“一人の人をほんとうに愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛することである。” エーリッヒ・フロム『愛するということ』

この言葉の意味が、フィリピンから帰国した今、やっと理解できた気がしています。

ここで感じたことも、日本に帰り恵まれた暮らしをしていると、それが当たり前になってしまい忘れてしまうものです。

「海外インターンシップを経験した」という事実に満足せず、今後の人生を歩んでいこうと思います。

他人や組織や社会と少しずつ向き合い、「Do small things with Great Love.」という言葉を胸に、小さなこと、自分にできることを真摯に1つ1つ取り組んでいきます!


(本記事は2015年夏に執筆されたものです)

田中 康雅

田中 康雅

2017年度YouthSpeak Media編集長/NPO法人アイセック・ジャパン広報ブランド戦略担当/慶應義塾大学環境情報学部 大学では経営学と心理学を学び、若者のアイデンティティについて研究。 労働者のメンタルヘルスの問題を本質的に解決していく仕組みを創るために、産業保健の領域で幅広く活動している。

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