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「みんなへハッピーを届けたい 人と人とを繋ぐ 」東京外国語大学 真崎里砂さん【Youth Interview】

女子大生のキャリアを応援するため、アイセックと総合コンサルティング会社アクセンチュアがコラボした海外インターンシッププログラム「Japan Women’s Initiatives」、通称JWI。

そのプログラムで2015年8月3日から9月15日の6週間、フィリピンのダバオで海外インターンシップに参加してきた真崎さん。

今回の経験をいきいきと振り返る真崎さんには「人」に対する一貫した思いがありました。

 

まずは自分自身が全く違う人たちと

――どうして海外インターンシップに参加しようと思ったのですか?

私には、将来いろんな違いを持った人同士をつなげられるような人になりたいという理想像がありました。
わかりやすく言えば日本と海外をつなぐみたいに、違いを持った人同士がお互いの良さを知り合えるような架け橋的存在です。

ただ、「こういう人になりたい!」という思いや興味分野こそはさまざまあるものの、どの方向が理想を達成するうえで一番いいのかを判断する経験や実践的な経験を私は一つも持っていませんでした。
人と人とをつなげられる存在になるためには何が必要なんだろうと考えたとき、まずは自分自身が全く違う人たちと一緒に暮らしたり働いたりすることだと思いました。
そういう意味で海外インターンシップは私にぴったりで、この経験が自分の将来を決めるうえで判断軸となるような原体験になればなと思い参加を決意しました。

 

――たくさん興味があるなかでも、特にどういった分野に興味があったのですか?

地域活性というジャンルに興味がありました。
昔からなんとなくではありますが途上国というものに興味があって大学でも東南アジア、特にタイについて学んでいます。
いわゆる途上国とよばれる人たちの多くがついている職業は農業、そして農業がおこなわれているのは都心よりも地方。
そうやって考えていく過程で「地域活性」というワードをよく耳にするようになったのがきっかけです。
アイセックの活動を通してさまざまな街づくりに取り組んでいる社会人の方にも会うようになりどんどん興味が深まっていきました。

今回の海外インターンシップでも「アグリビダ」という地域活性化のプロジェクトを企画・実行するプログラムに参加していました。

 

個と個をつなぐ

――まさに真崎さんの興味分野に沿っていた今回のインターンシップ。実際に現地ではどのような活動をしていましたか?

ダバオのミンタル区にある村にそれぞれチームで配属され、現地で調査をして村にある課題を特定し、その解決策となるプロジェクトを企画。
市長や役所の人の前でプレゼンをし、承認を得られたら資金調達をし企画の実行へと移ります。私はミンタルのプロック22という村(プロックは現地の村の単位)に配属され、ベトナム・インドネシア・中国の男の子と4人1組のチームで活動していました。

 

――インドネシア、フィリピン、中国。それだけ異なる国の人と6週間一緒に働くことは簡単なことではないですよね?

コンセンサスをとるのにはとても苦労しました。みんなすごく志が高くて、自分たちの企画にもパッションをもって熱く取り組んでいました。しかしその一方で自分なりの考えを強く持っている頑固な人たちでもありました。

そのためメンバー同士をうまく調節しバランスをとって一つの方向にもっていくのには苦労しましたね。私は1人1人と密にコミュニケーションをとることが強みだったので、その強みを生かすことをかなり意識してメンバーと接していました。その人が今何を思っているのか、どう役割分担をして行動するのがよいかなど常にチームの状況把握をするよう心掛けていました。

 

子どもたちと地域をつなぐ

――現地調査をして特定した課題に取り組むとのことでしたが、真崎さんのチームは6週間どのような課題に取り組んだのですか?

スポーツで地域を元気にしようというテーマで活動していました。フィリピンではバスケットボールが人気ですが、私が配属された村にはみんなが共有で使えるバスケットコートがなかったんです。そこに目を付けて、バスケットボールとバレーボール兼用のコートを作ることにしました。最後には村の人たちを招待してスポーツイベントを開催し、ゲームをしたりご飯を食べたりして交流を深めました。

実はスポーツをテーマにしたのにはもう一つ裏の理由があります。

フィリピンはOFW(Overseas Filipinos Workers)という海外出稼ぎ労働者が多いんです。特にお母さんが出稼ぎにいく家庭が多くて、村にも子供が家に一人でいるという状況がありました。そういう子供たちは地域の人たちと一緒につながったり交流したりする場所がないんです。でも、そういう子たちこそ人とのつながりや顔を見て一緒に交流できる場というのが必要だなと思ったんです。コミュニティの人たちが共に繋がれる場をスポーツを通して作ろうというのがもう一つの狙いでした。

――コートをいちから建設するのは肉体的にも厳しい経験だと思いますが、一番大変だったことはなんですか?

予算のハプニングです。コートを建設するとき、ハードウェアストアやスポーツストアさらには建設系の経験者にも相談して予算を組みました。ファンドレイズで地道にコツコツと予算を集めいざコートを建設しようとしたら・・・お金が足りない!6袋あれば足りると言われていたセメントが、実際に必要だったのはなんと50袋!予算が違いすぎてファンドレイズ活動も振り出しに戻りました。ファンドレイズも落ち着いてきていざこれからっていう時だったので、この時はさすがにどうしようってなりました。

――それはかなりの大誤算ですよね。それだけ大きいハプニングとなるとチームのまとまりもなくなるのでは……?

予算管理をしていたインドネシアの子とファンドレイズ担当の中国の子はもともとよく衝突していたのですが、このハプニングがわかったときに中国の子はそのインドネシアの子ではなく私のことをすごく責めてきました。ハプニングがかなり大きいうえにメンバーの板挟みにもなって、正直「こんなに頑張っているのにどうして……」とさえ思いました。

それでも資金は集めなければなりません。インドネシアの子とベトナムの子はファンドレイズに苦手意識をもっていたので、そこは私と中国の子が注力するなどチームでお互いをカバーし合って目の前の壁に立ち向かいました。

最終的にはなんとか資金も集まり、コートも高校生の公式サイズにまで広げることができました。村の方々も仕事を休んでまで手伝いにきてくださって、最後には皆が笑顔で成功という形でプロジェクトを終えることができました。

みんなとハッピーをつなぐ

――そんなインターンシップを終えた今、振り返ってみて気付いたことはなんですか?

一番大きな気付きは、「どんなに異なるバックグラウンドを持っている人同士でも一緒にハッピーになれる、一緒に楽しいと思える瞬間がある」ということです。私はこれを今回のインターンシップを通して肌で感じることができました。

プロジェクト活動の最後に開催したスポーツイベントでは、現地のアイセッカーや村の人たち、役所の方など計およそ70人が集まって、一緒にスポーツしたりご飯を作って食べたりしました。国も違ければ、宗教も違う。そういう人たちがこのイベントの時には嘘じゃなく本当に一緒に楽しんでいたんです。

インターンシップに参加する前に思い描いていた理想像も、いろんな人たちがそれぞれの良さをわかちあって一緒にハッピーになれるときを繋げられる人。
今回のインターンシップではどういう人でも楽しめるものがあるということに気付きました。
そして将来の方向性を決める軸として、どんな人でも楽しめてハッピーになれる場を提供できる仕事がしたいという志、一つの判断軸も得ることができました。

帰国してからは今回の経験をさらに今後の人生に繋げられるように、本を読んで知識をつけたり大学でも実学的な授業を取ったりとインターンシップで見つけた自分の興味分野を深めるようにしています。

 

<プロフィール>

真崎里砂[まさき りさ]さん 東京外国語大学3年。2013年一橋大学委員会入会。2年間受け入れ事業局を担当し、現在は人材開発担当として執行部で活動。2015年夏、JWIプログラムに参加しフィリピン・ダバオで海外インターンシップを経験。

 

YouthSpeak Media編集部

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YouthSpeak Media編集部。NPO法人アイセック・ジャパンのメンバーが中心となって運営しています。

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