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何を目指し、何ができるのかを持つことが大切。


アイセック・ジャパンは様々な領域を越えて活躍している社会人・学生の登壇イベント 「Youth Speak Forum 2018」を10月9日(火)に開催します。

若者が、自分とその未来を探し始めるきっかけとなる機会を提供することを目指した、「『』(カタガキ)を超えろ」というコンセプトに絡めて事前インタビューを行っています。(第一回第二回はPOTETO Mediaでの連載になります)


今回は、人材開発やリーダーシップの研究をされている、立教大学中原教授にインタビューし、ご本人にとってのカタガキに対する捉え方や、そして今に到るまでのストーリーをお伺いしました。


~中原淳教授 プロフィール~

立教大学 経営学部 教授(人材開発・組織開発)。立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラム(BLP)主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所 副所長などを兼任。博士(人間科学)。京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学講師・准教授等をへて、2018年より現職。

「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発について研究している。専門は人的資源開発論・経営学習論。

中原教授のBlogはこちらから。




-------------------今回のイベントのテーマが「カタガキ」を超えろ、というものなのですが中原先生にとってカタガキとはなんですか


私にとってカタガキはラベルの一つだと捉えています。究極的に言えば、私は「中原淳」を経営していると捉えているんですよね。肩書は手段の一つでしかなくて、自分という大きなものがあって、その中に組織がたくさんあって一つ一つにカタガキがあるようなイメージです。





組織は、自分が何を為していくか、という目的を遂行する場でしかないと思っています。ただ、組織にロイヤリティがないとか、エンゲージメントを感じないということは1ミリもありません。わたしは、かなり組織が好きな方だと思います。自分が貢献できる組織に、わたしはロイヤリティを感じます。


ちなみに、社会人に「何をしているんですか?」という質問をきくと「〜社の課長です」という答えをすることがありますが、それは役職を答えているだけで、何ができるのかは言っていないですよね。カタガキは利用すればいいと思います。自分がやりたいことを持っているのが大切だと思います。



-------------------やりたいことを持つことが重要。とても共感しました。中原教授のやりたいことの一つとして「人材開発領域」の研究だと思うのですが、なぜその領域に興味をもたれたんですか?


きっかけは、誰もやっていないし、自分しかやらないと思うからです。でもそれは、僕にとってはチャンスじゃないですか、誰もやらないですからね。


こう考えるようになったきっかけは大学院を終え、助教になったころです。人と人がコミュニケーション(対話)を行いながら、いかに学ぶことができるか、という研究で博士は取りましたが、その研究はみんながやっているもので、自分の人生かけてやるものではないなと思ったんです。そこで誰も踏み入れていない「人材開発」の領域を行う事にしました。


-------------------誰もやっていないし、自分しかやらない。と思えるのはすごいですね。誰もしていない研究を始めるにあたって行ったことはなんでしたか?


自分が何者であるかをわかってもらうことが最初のするべきことでした。

アカデミックの世界にも、ベンチャーと官僚的なものがあると思っていて、100年間変わらない講座もあります。教授がいて、准教授がいて、助教がいて、階層化された関係のなかで研究をしているような、例えて言えば「白い巨塔」みたいな世界です。僕は「ベンチャー」みたいなもんなんですよ。僕の研究は「アカデミック・ベンチャー」です。ベンチャーって一番最初に、自分が何者か、を明確にしないと勝てないと思うんですよね。


ブログなどを通じて自分がやろうとしていることを発信しましたが、誰も相手にしてくれませんでした。スキルや実績がないから、お前に何ができるって感じで。研究し始めるまでに実質5~6年かかりました。自分の研究領域を自分でPRして多くの人を巻き込んでいくようになりました。企業とのパイプがなかったので、イベントをたくさんやって。そうすると本を読んでくれるイノベーターのような人が興味関心をもってくれて、そんな人を集める場を作る。プロなので、ビジネスパーソンに役に立つ場を提供しますよと、ひたすら営業をしていました。この流れをもう一回やる?と言われたら、いや厳しいかな~笑、ってくらい人生をかけています。





-------------------実際の研究開始に5~6年の年月がかかるのは驚きました。上記のような壮絶な時代を過ごされた中で、中原教授がそこまでして動けた「原動力」は何だったのでしょうか?


研究には顧客がいると思っています。本を読んでくれる人が中原さんやってくれると期待してくれたり、一緒にやりたいって言ってくれる人が現れるのがありがたいし、僕の原動力になっています。人事の研究って展開がはやくて、グローバル人事、女性活躍推進、今は働き方改革。世の中の流れと同期して課題が生まれてくる、その中で自分が役に立てる領域を見つけて行きたいと思っています。


最近になると「創る」から「残す」という意識も強くなってきました。

最後に残っていくのは学問分野とかだけだと思っています。本とか仕組み化していかないものは自分が消えるとなくなってしまう。人はいつか死んでしまうので、僕がいついなくなってもいいようにしたい。「Create」から「Leave」に。創るから、残すに。自分の能力や力に限界を感じているので「Create」から「Leave」にしていきたいです。次の世代に残さないと10年後なくなっているかもしれないので。



-------------------泥臭く愚直に創ってきた領域だからこそ、後世に伝えたいという思いは人一倍強いんですね。そんな中原教授の最終的に目指しているものとはいったいなんでしょうか?


目指している世界観はそこそこ皆頑張ってる人が、働きがいを感じて食っていけるような社会です。海外の研究でいうと、人材開発は「スター社員をいかに育てるか」「スター社員をいかに処遇するか」という研究の方が最近は趨勢です。僕は、そういう研究も貴重だと思うけれど、もう少し地に足のついた研究がしたい。誰かをおいていく社会は、結局、社会不安が増すなど、いろいろな歪みができるのです。



-------------------誰も置いていかない素敵な世界観だなと思いました。最後に今の大学生へのメッセージがあればお願いします。


日本の、こと就職環境に関して言えば、「今が奇跡の時代」ってことはわかったほうがいいと思います。誰でも就職できる時代です。ですが、これは様々な要因が重なって、たまたま生じた現象です。財務的基盤はあまり強いとはいえない。皆さんは、今、景気がいいことを知っていますよね。でも、よく考えてください。皆さんのまわりに、儲かって、儲かって困りすぎている会社が、本当に多いでしょうか。

現在の就職環境の良さにあぐらを掻いている人は10年後はしんどいと思います。今は多くを採用しているけれど、将来のポストは限られていますよね。会社や役職ではなく、どんなサービスを普及させたいのか、どんな社会を作りたいのか、ってところを明確にもつ必要があります。


○○屋というような、何ができるのか、何を目指しているかを持つことが大切だと思いますね。


-------------------本日は様々なお話をありがとうございました。


はい、ありがとうございました。




今回は中原先生にとってのカタガキやその先に目指すものをお伺いしたインタビュー記事でした。

「カタガキ」を越えて活躍する社会人・学生が登壇するYouth Speak Forum。この機会で新たな「自分」を見つけてみませんか? イベントURLはこちらから!



YouthSpeak Media編集部

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YouthSpeak Media編集部。NPO法人アイセック・ジャパンのメンバーが中心となって運営しています。

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